婦人科がん検診と費用

子宮がんは早期発見・早期治療で約9割が治ると言われています。

当院の婦人科がん検診では、「子宮頸がん検診」「子宮体がん検診」「卵巣がん検診」の3つを行っています。検診に加えて初期診療・主治療後診療・セカンドオピニオンなどの診療も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

子宮頸がん

子宮の入り口にできるがんで、20〜30代の方に多く見られます。おもに性交渉によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)がほとんどの原因であり、性交渉がある女性であれば誰がなってもおかしくないがんです。また、初期段階ではほとんど自覚症状がないため、不正出血やおりものの増加などに気づいた時にはがんが進行しているということもあります。しかし、早期に発見できれば治療しやすいがんでもあります。HPVワクチン、定期検診が重要です。

子宮頸がん

症状
  • 不正出血(性交時出血)
  • おりものが増える
  • 濃い茶色や膿のようなおりもの
  • 水っぽいおりもの
  • 下腹部痛、腰痛、背部痛
検査方法

クスコ式腟鏡で腟を広げ、ブラシなどで子宮の入り口(頸部)をこすって粘膜細胞を採取します。痛みはほとんどなく、すぐに終わります。
検査結果は、検査を受けてからおよそ2週間ほどで判明します。

子宮頸部細胞診(子宮頸がん検査) ¥3,000

子宮体がん(子宮内膜がん)

子宮体部にできるがんで、40才ごろから多くなり、50〜60才代の閉経前後で最も多くなります。子宮内膜からがんが発生することから、子宮内膜がんとも言われます。子宮体がんは、子宮頸がんのようにウイルスによって発症するのではなく、女性ホルモンの過剰刺激によって発症する場合(タイプⅠ)と、女性ホルモンに関係なく発症する場合(タイプⅡ)があります。乳がんを患っている方は定期的に体がん検診を受けましょう。また一部に遺伝性発生がありますのでご相談下さい。

子宮体がん(子宮内膜がん)

症状
  • 不正出血
  • 茶色や褐色のようなおりもの
  • 排尿時の痛み
  • 性交痛
  • 下腹部痛
  • お腹の張り
検査方法

子宮の奥の粘膜細胞を、子宮腔内に入れられる器具で擦って採取します。子宮の奥の検査なので少し痛みがあり、検査後数日間出血する場合が多いです。検査結果は、検査を受けてからおよそ2週間ほどで判明します。

子宮内膜細胞診(子宮体がん検査) ¥5,000

卵巣がん

子宮の左右にひとつずつある卵巣にできる腫瘍を卵巣腫瘍といい、良性腫瘍・境界悪性腫瘍・悪性腫瘍に分けられます。そのうちの悪性腫瘍が卵巣がんです。卵巣がんは初期にはほとんど自覚症状がなく、腫瘍が大きくなったり腹水が溜まる事で膨満感や下腹部痛、頻尿などの症状が出てきます。腫瘍が破裂したり、お腹の中で腫瘍が捻れたりして、突然の強い下腹部痛が起きることもあります。

卵巣がん

症状
  • 下腹部の違和感や痛み
  • 腹部膨満感
  • 不正出血
  • 便秘
  • 頻尿
  • 食欲不振
検査方法

まず、問診・外診・内診・経腟超音波検査を行い卵巣腫瘍があるかどうかを調べます。超音波検査で腫瘍が嚢胞(ふくろ状)のみであれば多くの場合良性腫瘍です。充実性部分(かたまりの部分)と嚢胞性部分的が混在する場合や、全体が充実性の場合などは悪性腫瘍や境界悪性腫瘍が疑われます。さらに詳しく調べる必要があると判断した場合は、CT、MRI検査、PET検査や腫瘍マーカーの測定を行います。

内診、経腟エコー
(卵巣がん、卵巣のう腫、子宮筋腫、子宮内膜症の検査)
¥3,000

ブライダルチェック

妊娠を希望される全ての女性に受けていただきたい、体のトータルヘルスチェックです。

ブライダルチェックとは、一般的には結婚予定の女性を対象とした婦人科検診のことをいいますが、結婚前や後に限定することなく、妊娠を希望される女性に受けていただきたい検診です。検診で疾患を早期発見することで、治療をより早く始められて不妊のリスクなども軽減できます。

基本セットの費用と検査内容

基本セット ¥20,000
問診・健康相談 月経の周期、これまでにかかったことのある病気、アレルギー、感染症などについてお聞きします。
基本診療 血圧・体重・検尿一般を測定し、診察台で内診を行います。
子宮頸がん検診(内診) 診察台に座っていただき、腟鏡(クスコ)で腟を広げ、ブラシで頸部の細胞を軽く擦り取り、細胞に変化がないか調べます。子宮や卵巣の状態も触診で調べます。
超音波検査(子宮・卵巣の検査) プローブと呼ばれる棒状の機器を腟内に挿入してモニターに画像を映し出し、子宮と卵巣に子宮筋腫や卵巣のう腫などの病気がないか調べます。
血液検査 採血により、貧血・肝機能・腎機能・糖尿病・脂質・甲状腺機能の検査を行います。
クラミジア・淋病検査 腟や子宮の入口のおりものを採取して検査します。
風疹抗体検査 血液検査をして風疹ウイルスに対する免疫を持っているかどうかを調べます。(希望者に実施します。)
HIV抗体検査 血液検査をしてHIV(エイズウイルス)感染をしているかどうかを調べます。(希望者に実施します。)

オプションの費用と検査内容

HPV検査 ¥3,000 子宮頸部から細胞を採取し、子宮頸がんの原因ウイルスに感染しているかを調べます。
婦人科腫瘍マーカー4項目
(CEA、CA19-9、CA125、SCC)
¥3,000 血液検査をして子宮体がん、卵巣がん、子宮内膜症の腫瘍マーカーを調べます。
子宮体がん検査 ¥5,000 子宮内部に細いブラシを挿入して細胞を採取して検査を行います。生理痛のような痛みを伴います。検査後、数日出血することがあります。
腟分泌物培養検査 ¥3,000 腟からおりものを採取して一般細菌、真菌などを調べます。
感染症検査 ¥6,000 血液検査をして「梅毒反応」「HBs抗原(B型肝炎検査)」「HCV抗体(C型肝炎検査)」を調べます。母子感染の点からも大切な検査です。
血液型検査 ¥2,000 血液検査をしてABO血液型、Rh血液型を調べます。

良性腫瘍について

腫瘍は、他の臓器へ転移・浸潤を起こす「悪性腫瘍」と、それらを起こさない「良性腫瘍」に分類されます。

婦人科診療で扱っている良性腫瘍は主に「子宮内膜症」「子宮腺筋症」「子宮筋腫」です。腫瘍の治療については患者様の病状や年齢、社会的環境などをよく考慮した上で個別に治療を行っていきます。

子宮内膜症、子宮腺筋症

子宮の内側を覆っている「子宮内膜」の組織が、卵巣や子宮など子宮内腔以外の場所にできてしまう病気です。月経のある10〜40代の約10%に多く見られる病気です。通常、子宮内膜は月経の時に出血がおきて外に排出されますが、子宮内膜症の場合その血液が外に排出されないため、溜まった血液が炎症を起こしたり、周囲の組織にくっついてしまいます。卵巣の中に子宮内膜ができてしまい古い血液が溜まっていく状態を「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」といいます。これがあると、「卵巣がん」が発生する可能性があるため、定期的なチェックが必要です。また、子宮筋の中に子宮内膜ができるものを「子宮腺筋症」といって、月経痛、過多月経の原因になります。(子宮筋腫との鑑別が必要です。)

子宮内膜症、子宮腺筋症

症状
  • 生理が年々重くなる、期間が長くなる
  • 生理期間以外での下腹部痛
  • 性交痛
  • 排便痛
  • 不正出血
  • おりもの異常
検査方法

子宮内膜症の確定診断は、最終的には腹腔鏡で病変を直接確認しないと出来ません。しかし、この検査は全身麻酔が必要な場合が多いため、まずは問診や内診、超音波検査やMRI検査などの画像を使って診断し、総合的に臨床判断を行います。その結果によって必要な検査を行います。

子宮筋腫

子宮の壁(筋肉細胞)が、女性ホルモンの作用によりコブのようになる良性腫瘍です。小さいものも含めると、30代以上の女性の3人に1人は持っていると言われていますので、筋腫と判断されてもそれだけで不安に思うことはありません。子宮筋腫は発生する場所により種類が分けられており、それぞれで症状の現れ方などに特徴があります。また、子宮筋腫によく似た”子宮肉腫”というがんとの鑑別も必要です。

子宮筋腫

筋層内筋腫(子宮の筋肉層にできる筋腫)

子宮筋腫の中で最も多いタイプの筋腫です。複数箇所に発生することが多く、筋腫が大きくなると不妊や流産・早産の原因にもなります。
月経過多や貧血などの症状が見られます。

粘膜下筋腫(子宮の内側にできる筋腫)

筋腫が子宮の内側に飛び出ていたり、子宮を引き伸ばして変形させてしまい収縮しづらくなるため、小さくても出血量が増えてひどい貧血になる場合があります。
筋層内筋腫と同様に月経過多になったり、重度の貧血を起こしたりします。

漿膜下筋腫(子宮を覆う漿膜の外側にできる筋腫)

筋腫がかなり大きくならないと自覚症状はほぼありません。子宮のすぐ前側に膀胱があり、ここを圧迫するようになると頻尿症状が出る場合があります。後方へと大きくなると直腸を圧迫して便秘症状が出る場合があります。また、筋腫と子宮が繋がっているところが捻れる事があり、激しい痛みを伴います。

検査方法

初診時には、問診・内診・超音波検査を中心に、必要があれば細胞診・血液検査などを行います。これらの結果を総合的に判断し、子宮筋腫などの疑いがある場合やはっきりした診断がつかない場合には、後日MRI検査や子宮鏡検査などの追加検査を行います。

不妊症治療・避妊相談

不妊症治療や避妊相談など、生殖医療の診療を行います。

子供が欲しいのになかなか授かれない方、望まない妊娠を防ぎたい方などの治療・相談を行います。

不妊とは

「不妊」とは、妊娠を望んでいる健康な男女が避妊をせず性交をしているにもかかわらず、一定期間(一般的に1年間)妊娠しないことをいいます。女性に排卵がなかったり、子宮内膜症を合併していると妊娠しにくいことがわかっています。また、男女ともに年齢が上がるにつれて妊娠しづらくなることも知られています。妊娠を望んでいる場合は、一定期間を待たず早めに治療に入ったほうが効果的な場合もあります。

タイミング療法

超音波検査や頸管粘液検査、尿LH検査などを行い最も妊娠しやすい時期を指導します。これらの検査の他に、基礎体温の測定、卵胞チェックなども行います。

排卵誘発法

妊娠するためには排卵はなくてはなりませんが、その排卵がスムーズに起こらない、あるいは全く排卵しないという方に行う治療法です。内服薬や注射で薬剤を投与します。

人工授精

当院では、現 大阪IVFクリニック院長 中岡義晴先生に師事した経験を活かし、Percoll撹拌密度勾配法による精子洗浄を行って、人工授精を実施しています。排卵誘発法と併用します。手技的に、やや女児の妊娠する確率が高くなります。

費用 原則保険適応

避妊相談

計画していない(望んでいない)妊娠を防ぐために、さまざまな方法があります。患者様のこれまでの病歴や生活習慣などをうかがい、対応していきます。

経口避妊薬 ピル

ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれた錠剤で、コンドームよりも高い避妊率が立証されています。ピルを服用すると排卵をストップさせるので、卵巣・子宮を休ませることができます。その他にも、生理不順の改善や月経困難症の改善、月経前症候群(PMS)の緩和、卵巣がんの予防など、女性の体に大きなメリットをもたらしてくれます。

子宮内避妊器具

子宮内に小さな器具を入れることで、避妊を行うことができます。主に精子と卵子の受精を防いだり、精子が着床しないようにすることができます。避妊効率は高く、正しい位置に入っていれば97〜99.8%の避妊効果があります。出産経験があり、これ以上の妊娠を望まれない方や、低用量ピルによる避妊ができない方におすすめしております。

日帰り手術

当院では静脈麻酔、局所麻酔による各種小手術を行っております。

バルトリン腺嚢胞手術、子宮頸部異形成の手術、子宮頸管・内膜ポリープ切除術、コンジローマ手術、人工妊娠中絶術、流産手術など、日帰りで受けられる手術を行っております。詳しい手術内容、費用などはお問い合わせください。